先日、90歳代 女性の大腿骨骨折の手術に対する麻酔を担当しました。
御高齢なので、麻酔管理をする上では色々、気をつけなければならないことも多いのですが。
手術をしなければ寝たきりになってしまう可能性もあるため、
少々の合併症があっても手術適応となることがほとんどです。
もうずいぶん狭くなっている背骨の隙間から、なんとか脊髄クモ膜下麻酔を行いました。
薬を投与し終えて、体位を戻して、バイタルをチェックして、「さぁ、レベルの確認・・・」と思っていたところ、患者さんに話しかけられました。
「お手間を取らせて、申し訳ありませんね。
私、どうしてももう一度、歩けるようになって家に帰らなくっちゃいけないのよ。
家で待ってる3つ年上の夫の面倒を私がみなきゃいけないから・・・」
90歳を過ぎて、なお、自分の体よりもパートナーを気にかけるこの言葉に、
老老介護の問題なといろいろ複雑な思いにかられましたが、ふと
”自分も数十年後、こういう夫婦になりたい”
そんなことも考えた瞬間でした。
90代男性。大腿骨頸部骨折手術が発熱などで2週延期。救急搬送時と術直前の回診で見る影もなく室見当識が進んでいました。
返信削除後に赴任先の休憩室でこの症例を挙げると、外科の先生も同様の経験をされたとのこと。話し合い15分程で迅速陽性の乳がんなど数疾患を準緊急扱いとしました。
今もこの系譜が残っていますでしょうか。
こんな記憶がよみがえらせていただきました。ありがとうございました。YO生
PS.Wall と Streamにmultipostしますね