こんにちは。麻酔科Kです。
10月1日に、京都大学特別教授の本庶佑先生がノーベル医学・ 生理学賞を受賞しました。
手術、抗癌剤、放射線に続く、第四の治療として注目されている、がん免疫治療薬の「オプジーボ」 の開発に携われた偉大な先生です。
2000年になったばかりの頃は、 免疫系はわかっていないことが多く、ざっくり言うと「悪い細胞を倒してくれる、よくわからない何か」でした。
それから十数年が経過し、免疫を司るT細胞に付属する「PD-1」 というレセプターと、癌から出ている「PD-L1」 というリガンドがくっつくと、本来身体を守っている免疫機構にブレーキがかかってしまうことがわかりました。
なので、PD-1をPD-L1から守ることで、 免疫力が正常に働くのではないかという仮説の元、 作られたのがオプジーボです。
医学を大学で一通りは勉強しましたが、卒業して何年経っても新たな事実が次々と出てきます。人体の謎はまだまだ多く、奥が深いなと思いました。
医学を大学で一通りは勉強しましたが、卒業して何年経っても新たな事実が次々と出てきます。人体の謎はまだまだ多く、奥が深いなと思いました。
さて。話は少し変わりますが、当麻酔科医局には大学院へ進学し、 博士号を取得する道があります。
時期としては専門医前後で院に進む先生が一般的ですが、 10年目以上でも興味があれば大学院へ進学し、 様々な分野の研究を行うことができます。
普通の医局なら、「麻酔科なのだから、麻酔科学での博士号取得」 という考えが一般的ですが、当科では病理や薬理、神経学、 医療工学など、多方面な分野での研究が可能です。
今年卒業したY先生も、実は先ほどのPD-L1について研究し、 博士号を取得しており、昨今のニュースのことを熱く語っていらっしゃいました。
こういう医局にいると、案外ノーベル賞って、近くにあるのかもしれないなと思いました。
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