日本はまだ梅雨でしょうか。
マレーシアとほとんど変わらない気候になってきたかと思いますが、
お元気でいらっしゃいますか。
日本でもニュースになっていたようですが、インドネシアの焼き畑による森林火災の影響で、シンガポールだけでなくクアラルンプールもしばらく煙害に見舞われておりました。車の運転が危ないくらい大気が真っ白で、焦げ臭さがずっと漂っていましたが、だいぶなくなってきたところです。
さて、女子医大で先日心臓移植が行われたそうですが、IJNでもここ数ヶ月左室補助人工心臓(Left Ventricular Assist
Device: LVAD)の植え込みが何件か行われています。
しばらくぶりだったこともあるのか、手術室には人、人、人!写真に写っていないところにもまだまだいて、半分に分けて余裕でサッカーの試合ができるくらいの人がいました。
こちらで使うLVADは、Heartmate
IIか、Heartwareだそうです。患者さんの体格によって使い分けるほか、Heartmateはアメリカから、Heartwareはオーストラリアからサポートが受けられるそうで、地理的なことからHeartwareを選択することもあるようです。
IJNにはHeartmate、Heartwareそれぞれについて海外で研修を受けてきた麻酔科医が2名おり、その方々が中心になって麻酔をしていました。(私は残念ながら、少し空いた時間に部屋をのぞいただけでした・・)
使っている薬剤は、というと・・・
持続静注しているものは、インスリン、トラネキサム酸、ドーパミン、ドブタミン、アドレナリン、バソプレッシン、レボシメンダン。
レボシメンダンは日本未発売のようですが、カルシウム感受性増強薬です。
以前、外科と合同の抄読会で、ハイリスクの心臓手術におけるIABPとレボシメンダンの比較ついての文献紹介がありました。アウトカムはIABPに比べ同等以上でIABPによる合併症が起こりえない、という内容で、それ以来低心機能の症例に好んで使う麻酔科医、外科医が増えたようです。
このとき、隣の手術室をのぞいたら、こっそりと(?)MitraClip(カテーテル的僧帽弁形成術)が行われていました。
マレーシアは日本のお役所と違い、新しい医療機器に対する審査が厳しくないようで(審査自体があるのかないのか??)、日本ではお目にかかれないようなものもここにはたくさんあります。
アメリカやヨーロッパから直接、業者さんや医療関係者がきて使い方の指導をしているのもよく見かけます。全スタッフ英語が使えるという面でも、新しい物を受け入れやすいのかな、と思って見ています。
さて、だいぶ長くなってしまいました。
読んでいただいてありがとうございます。
来週からは待ちに待った(笑)断食の月が始まります!!
いろんな人に、「せっかくマレーシアに来たのにいっしょに断食しないのー?」と言われるので、私もとりあえず初日は断食してみようと思います。
その様子はまたご報告いたします。
では、暑い季節、お体にお気をつけて下さいね。
by Dr. OKU
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