気道確保困難症例の管理技術(Difficult Airway Management:
DAM)。
患者さんの呼吸管理を含めた全身管理を預かる麻酔科医にとって、これは必須の技術です。
ASA の DAM Algorithm
を理解し、これをもとに意思決定のプロセスを学び、そのために必要な実際の手技を習得する・・・・こう書いてしまうと、当たりまえのように聞こえますが、実際の臨床の場でこうした管理を十分練習する機会はなかなかありません。その一方、気道確保困難症例に遭遇した場合、限られた時間で焦らずに!?的確な判断をすることが肝要です。
DAM講習会ではシミュレータを用いることにより、実際の気道確保困難の切迫した状況を経験し、その場での判断、処置を学ぶことができます。このような講習会は麻酔科学会などでも開催されていますが、定員性のハンズオンであり、なかなか参加することが難しかったりします。
そんな中、日本医学シミュレーション学会 DAM世話人でもある紀南病院 中川雅史先生は、当教室の非常勤講師でもあります。この大変ラッキーなこの縁を生かして、当教室では毎年、中川先生をお招きして後期研修医1年生にミニDAM講習会をして頂いています。
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まずはレクチャー。理論は大事です。
続いて、人形を使って練習~。
まずは、マスク換気の際の下顎挙上の仕方から。
ただ、きつくフィットさせればいいってもんじゃないんです!?
ガムエラスティックブジー。
一見、単純な技術ですが、意外とみな忘れがち。
中川先生も、強く推奨していました。
H川先生の華麗な手技!
女子医大 麻酔科では中央手術側の気道確保第一選択は
全症例 マックグラス!!
・・・なので、実は普通の喉頭鏡は使い慣れていないのです。
通常の喉頭展開のおさらいも兼ねて・・・
H先生。気管軟骨のコリコリ感にうれしそうです!!
喉頭鏡のブレードをどこに沿わせるか?
真中から覗きこんでいるF先生も納得。。
ふむふむ、なるほど。
ビデオ喉頭鏡でA先生も実践。
隣でH岡先生が、GEBを渡す準備万端です。
ファーストラック、実践中。
ここに通すんじゃない?
これが、マックグラス。
当院では中央手術側定例の挿管には
これを第一選択で使います。
シミュレーション人形 SimMan!
このコが突然、喉頭けいれんやら開口困難やらになります。
SpO2は下がるし、徐脈にはなるし。。。
困ったコです(^^:
さて、このあとはこのコを使って、シナリオトレーニングです。
く、くちが開かない!?
「指導医に状況を説明している担当医」の図。
さて、指導医役はこの中で誰でしょう???
最後の最後は、困ったらファイバーだ、ファイバー。
なんでしょう、二人して?
満面の笑顔ですな。
窮地を脱したのでしょうか?
5人がかり!
どんだけだ!?(^^)
いったいなにが起きるのか?
警戒しすぎのA先生。
中川先生、今年もありがとうございました。
受講生のみなさん、おつかれさま。
中川先生の最後の言葉。
「穴は落ちるつもりがなくても落ちてしまう。
そのとき、いかに底まで落ちないように備えておくか?
どう這い上がってくるか? こうした対策が大事。」
私も含め、みんな心して、麻酔科医を頑張りましょう!!
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