2014年2月10日月曜日

2月 総合医局会

 都心では記録的な積雪を記録した2月8日、総合医局会が開かれました。この毎月行われる医局会では、練士による抄読会が行われています。
 本日の抄読会の内容は、「健常ボランティアにおけるデクスメデトミジンとプロポフォールの下部食道括約筋ならびに胃食道圧較差に与える影響」でした。

▲そのまま転載するわけにもいかないのでキャプチャイメージです
 
 
 麻酔薬によって下部食道括約筋圧が低下し、胃食道逆流が起こることで、誤嚥性肺炎を引き起こす可能性があるため、2薬物間でその程度を比較しようという論文でした。

 結果は、薬物間で臨床上有意とされるほどの差はなく、いずれの鎮静剤を選択するかは、下部食道括約筋圧に与える影響以外の因子(血圧低下、心拍数低下など)を考慮して選択するべきであるというものでした。

 ただし、本研究は、対象が健常ボランティアであるため、何かしらの内服薬を服用していたり、胃食道疾患の既往があったり、手術の侵襲が加わったりした場合には、今回とは違った結果となる可能性はあるという結論となっています

 麻酔科医には、手術中の患者の命を守るだけではなく、術後肺炎などを起こしにくくするなどといった周術期管理も要求されますので、このような薬剤毎の特性も熟知しておく必要があり、勉強することはたくさんあるなぁと感じた一日でした。

 以上、今回の抄読会の発表を担当させていただいた練士Gでした。

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