2013年10月29日火曜日

10/19 総合医局会

 練士Kです。医局説明会の記事が続く中、空気を読まずに総合医局会の記事をUPします。

 一週間ほど前、一ヶ月に一度の総合医局会がありました。




 薬の勉強会はメサペイン。癌性疼痛に関して、モルヒネやフェンタニルでも鎮痛が出来ない症例に対して使われるというお薬でした。強い薬だけあって副作用もそれなりにあるのですが、ターミナルで用いる薬剤は限られており、オピオイドローテーションもうまくいく場合とそうでない場合があります。そこへ新しい選択肢が加わるということで、外来で鎮痛に難渋している患者さんに対して検討していきたいお薬です。
 
 
 メサペインのプレゼンに来ていただいた業者の方は、とてもわかり易く解説してくださいました。印象的だったのは三段階除痛ラダーのさらに上に当たる、という部分です。4段階目とおっしゃる先生や3.5段階目とおっしゃる先生もいらっしゃるようですが、つまりは天井をつきやぶる新しい薬だといえるのかもしれません。
 
 処方するにはe-learningでしっかりと時間をかけて学んだ後、3回失敗するとロックがかかる試験(時間経過でロックは解除される)に合格しなければ、この薬を処方することは出来ないそうです。
 
 なかなか敷居が高いお薬ですが、そもそも私達は普段、薬剤を簡単に処方しすぎなのかもしれません。薬は毒にも薬にもなります。抗生物質も、本来毒物を薄めたようなものです。強い薬ということはそれだけ強い危険も含むため、この措置は当然なのかもしれません。
 
 なかなか使うまでには様々な条件が必要なメサペインですが、薬価は他の麻薬性鎮痛薬よりも安いそうです。もし変更を考慮した場合、そこは障害にならずに良さそうです。
 
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 そこからは臨床麻酔科学会の予演会でした。ネタバレの関係で内容をお送りすることが 残念ですが、いやはや、色んな発表がありました。研修医の先生もそこにいたのですが、感想は「発表がマニアックですね」ということでした。
 
 なるほど……科の選択がする前の人から見ればそういうものかもしれません。

 
 
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 予演会の後は、H先生のペインクリニック報告でした。症例報告形式で、外傷で足関節部位をオペされた患者さんが、その手術部位ではなく、そこへ移植するための血管を取った大腿部が痛むということで、当院ペインクリニックを受診された症例でした。

 
 薬剤に加え、硬膜外ブロックを行ったところ、鎮痛が得られ、薬剤の量も減らすことができ、夜間就眠が得られるようになったという症例でした。

 その際話されていたのが疼痛の悪循環の話です。疼痛による交感神経緊張は筋緊張と血管収縮を引き起こします。それにより痛み刺激物質の生成を引き起こすため、さらに疼痛が悪化するのです。痛みが続いているという状態そのものが、悪化の原因でもあるのです。
 
 痛みを抱えている多くの患者さんはしばしばこの悪循環にハマってしまいがちなのだそうです。一時的な痛みを取ることが、実は根源的な治療につながるということなのですね。

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 この盛り沢山な医局会が終わった後、麻酔科公式医局説明会がありました。雨も降り寒い中、沢山の方がお越しくださいました。私練士Kも医局会で消耗した身体を引きずって出席しました。

 一次会終了後、傘が無い見学者を駅まで送っていったところ、なんと二次会メンバーとはぐれてしまったのです。二次会に行きそうなメンツに電話をかけてみると、先に帰ったという返事ばかり……。二次会会場を探すことが出来ずに神楽坂の街を30分ほど彷徨いました。

 携帯を見てみましたが、こんな日に限って、二次会幹事の携帯番号が電話帳に入っておりません。なんとか色んな人から連絡先を聞き、最終的には二次会会場にたどり着きました。ショックなことに、一次会会場から5分もあるかないほどの距離にあったのです。

 寒い雨の中を薄着で彷徨い、もう少しでルーベンスの絵をみることになりそうだった、練士Kでした。

2013年10月26日土曜日

2014年度 入局説明会


乾杯の挨拶を突然振られた野村教授
 
 神楽坂のイタリアンレストラン、ラストリカートにて2014年度入局説明会が行われました。小雨の降る中、初期研修2年目の先生14名、1年目の先生4名の合わせて18名の先生たちが来てくれて、今年の入局説明会も大盛況のうちに幕を閉じました。二次会に来てくれた先生方も、遅くまでありがとうございました。すでに入局を決めている先生、麻酔科は決定しているけれども地元に残るか上京するかを迷っておられる先生、麻酔科と別の科とで迷っている先生など、それぞれ皆違う思いで参加しているのを見て、昨年の自分を見ているかのような気分になっている錬士1年目のGです。
 
 
 さて、入局して1年が経ち、最近改めて実感していることですが、女子医大麻酔科の特徴は、教授、医局長をはじめ、スタッフの先生たちが本当にアットホームな雰囲気であるということです。研修システムもさることながら、そういった医局全体の空気感というものが、特に新参者の私たち若手錬士にとっては働きやすい環境を作ってくれていることを最近実感しています。そのような空気感が伝われば、、という思いで昨日は参加させて頂いた次第ですが、皆さんが将来への選択の一助となれていれば幸いです。
 

 入局説明会は終わりましたが、参加し忘れた!昨日参加したけど、聞き忘れた!まだまだ聞きたい事がある!という方は、自分がすっきりするまでメールでも何でもいいので聞いて下さい。また、12/14(土)には忘年会もありますので、そちらにも是非足を運んで頂ければと思います。
 以上、錬士1年目Gでした

2013年10月24日木曜日

入局説明会、参加して下さったみなさんへ ~ 医局長より

さる10月19日(土) 神楽坂のラストリカートにて今年も入局説明会を開催致しました。

秋雨降る肌寒い中、初期研修医2年生13名、1年生5名、合わせて18名の先生方が足を運んでくださいました。なによりうれしかったのは、ひとりも当日キャンセルすることなく、お集まり頂けたことです。おかげさまで、当教室から参加した医局員達も(本来、楽しませなければならないはずですが)、非常に楽しく過ごすことができたようです。

見学に来て下さったことのある先生方と久しぶりにお会いすることが出来て、私自身もとても楽しいひとときでした。また、直前にHPで説明会の存在を知り駆けつけてくださった先生方と知り合う機会も得られました。

みなさんのおかげで、今年も「これまでの出逢いを確認できる」素敵な会となりました。

こう考えると、”入口” は確かに勧誘を目的としたものなのですが、リクルート活動そのものは「勧誘がうまくいったいかなかった」とはまた別次元の貴重な出逢いの場なのかもしれませんね。



入局説明会、参加して頂いて、本当にありがとうございました。











2013年10月10日木曜日

10月19日(土) 入局説明会 予定プログラム

昨年、一昨年に引き続き、今年も神楽坂のイタリアンレストラン 「ラストリカート」にて2014年度の公式入局説明会を開催します。

ゆっくりとコース料理を味わいながら、例年通り

女子医大 麻酔科学教室全般にわたる紹介

に始まり、

心臓麻酔チーム

集中治療チーム

ペインクリニック・緩和ケア チーム

の各部門代表者による紹介プレゼンテーションを準備いたしました。

加えて、昨年ご好評いただいた

医局員大学院生; 研究と臨床と

ママさん医局員; キャリアと家庭の両立

といった内容も再び揃えました。
当教室の業務の内容、医局員それぞれのキャリア形成の実際を感じて頂けるかと思います。また同席する医局員から、ざっくばらんな話も聞ける機会としています。



幸いなことに、現在までに多くの参加希望を頂いております。

着席の会になりますので、申し訳ありませんが座席数に限りがあります。

参加を希望してくださる先生方は、必ず事前に下記フォーマットよりご連絡をお願い致します。
ご希望頂いた場合、席は必ず確保させて頂きます。

http://www.twmu.ac.jp/anes/contact/


少しでも麻酔に興味があり、当教室へ関心をお持ちの先生方なら、どなたに参加して頂いても結構です。広い参加をお待ちしております。









2013年10月8日火曜日

運動は百薬の長

Comparative effectiveness of exercise and drug interventions on mortality outcomes: metaepidemiological study | BMJ

メタ疫学検討の結果、冠動脈心疾患や脳卒中などの一般的な疾患に対して運動は恐らく多くの薬剤と同程度の効果!

Comparative effectiveness of exercise and drug interventions on mortality outcomes: metaepidemiological study

BMJ 2013; 347 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f5577 (Published 1 October 2013)
Cite this as: BMJ 2013;347:f5577


Abstract

Objective To determine the comparative effectiveness of exercise versus drug interventions on mortality outcomes.
Design Metaepidemiological study.
Eligibility criteria Meta-analyses of randomised controlled trials with mortality outcomes comparing the effectiveness of exercise and drug interventions with each other or with control (placebo or usual care).
Data sources Medline and Cochrane Database of Systematic Reviews, May 2013.
Main outcome measure Mortality.
Data synthesis We combined study level death outcomes from exercise and drug trials using random effects network meta-analysis.
Results We included 16 (four exercise and 12 drug) meta-analyses. Incorporating an additional three recent exercise trials, our review collectively included 305 randomised controlled trials with 339 274 participants. Across all four conditions with evidence on the effectiveness of exercise on mortality outcomes (secondary prevention of coronary heart disease, rehabilitation of stroke, treatment of heart failure, prevention of diabetes), 14 716 participants were randomised to physical activity interventions in 57 trials. No statistically detectable differences were evident between exercise and drug interventions in the secondary prevention of coronary heart disease and prediabetes. Physical activity interventions were more effective than drug treatment among patients with stroke (odds ratios, exercise v anticoagulants 0.09, 95% credible intervals 0.01 to 0.70 and exercise v antiplatelets 0.10, 0.01 to 0.62). Diuretics were more effective than exercise in heart failure (exercise v diuretics 4.11, 1.17 to 24.76). Inconsistency between direct and indirect comparisons was not significant.
Conclusions Although limited in quantity, existing randomised trial evidence on exercise interventions suggests that exercise and many drug interventions are often potentially similar in terms of their mortality benefits in the secondary prevention of coronary heart disease, rehabilitation after stroke, treatment of heart failure, and prevention of diabetes.

2013年10月5日土曜日

日本心臓血管麻酔学会第18回学術集会@小倉(2013/9/27-29)


 

登場人物

Sとう:今年5月から東京女子医大病院で勤務し始めた新米助教(男、32歳、結婚4年目、医師9年目)

Cば:女子医大入局4年目のベテラン練士(男、29歳、もうすぐ結婚予定、医師6年目)

 

Cば:いやぁ、先生、学会もあっという間に終わってしまいましたね!

Sとう:いろいろ勉強になったね。発表は上手くいった?

Cば:上手くいきましたよ~、本番に強いタイプなんです。そういや、先生、先生も発表あったのに、ポスターを家に忘れかけたって聞きましたよ!
S
とう:いやぁタクシーに乗ってから気づいたから、すぐにUターンしてもらちゃった!(汗 情報早いな)

Cば:苦笑(相当うっかりしてるなぁ)

Sとう:ところでK川先生やS野先生、H崎先生みんな講師陣として活躍してるね。

Cば:そんな先生たちに普段教えてもらえるなんて幸せな環境ですね!

Sとう:確かに!!昨日の夜もN教授にご飯連れて行ってもらって、留学中の話とかいろいろ聞けて、おもしろかったなぁ。

Cば:ぼくも行きたかったなぁ!先生、この後、帰る前に何か食べに行きませんか?

Sとう:お いいねぇ。ラーメンでも食べに行こっか?

Cば:御意。

 

(一同帰路へ