2018年10月17日水曜日

Diversityのある進路とノーベル賞

こんにちは。麻酔科Kです。

10月1日に、京都大学特別教授の本庶佑先生がノーベル医学・生理学賞を受賞しました。

手術、抗癌剤、放射線に続く、第四の治療として注目されている、がん免疫治療薬の「オプジーボ」の開発に携われた偉大な先生です。

2000年になったばかりの頃は、免疫系はわかっていないことが多く、ざっくり言うと「悪い細胞を倒してくれる、よくわからない何か」でした。

それから十数年が経過し、免疫を司るT細胞に付属する「PD-1」というレセプターと、癌から出ている「PD-L1」というリガンドがくっつくと、本来身体を守っている免疫機構にブレーキがかかってしまうことがわかりました。

なので、PD-1をPD-L1から守ることで、免疫力が正常に働くのではないかという仮説の元、作られたのがオプジーボです。
医学を大学で一通りは勉強しましたが、卒業して何年経っても新たな事実が次々と出てきます。人体の謎はまだまだ多く、奥が深いなと思いました。

さて。話は少し変わりますが、当麻酔科医局には大学院へ進学し、博士号を取得する道があります。

時期としては専門医前後で院に進む先生が一般的ですが、10年目以上でも興味があれば大学院へ進学し、様々な分野の研究を行うことができます。



普通の医局なら、「麻酔科なのだから、麻酔科学での博士号取得」という考えが一般的ですが、当科では病理や薬理、神経学、医療工学など、多方面な分野での研究が可能です。

今年卒業したY先生も、実は先ほどのPD-L1について研究し、博士号を取得しており、昨今のニュースのことを熱く語っていらっしゃいました。

こういう医局にいると、案外ノーベル賞って、近くにあるのかもしれないなと思いました。

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